産まない選択

私達が会った1人目の女性は子供を産むのを諦めた人でした

彼女は数ヶ月後に出産を控え大きなお腹をしていました
上には2歳と4歳の男の子がいてお腹の子も男の子
彼女が産めなかった子供は女の子でした
ただ、彼女の場合赤ちゃんはダウン症ではなく確実に車いす生活になる障害を持っていたと言います
1番上の子がまだ1歳で障害者の子供と小さな子どもを育てるのが無理と思った
住んでいる家が小さくて車いすがアクセスできない
自分たちの生活のクオリティー、産まれて来る子の人生のクオリティー
彼女に残された考える時間は24時間
そんな短い間に決断をするのがどんなに大変だったか想像しなくても分かります
中絶の日の事を話し始めると彼女はポロポロと涙を流して何度も話せなくなり
私も一緒に泣きました
理由が何であれ、中絶をしたら女性の心に一生癒えない傷が残るのです
彼女が中絶した事を聞いた隣人と友人が彼女をとても責めて口を聞いてくれなくなり
それはとても悲しい事だったと言いました
「でも人の事は気にしなくていい
もし中絶や養子に出す事を選んだら「流産したの」と言えば良い
嘘を言えば良いのよ
皆が皆本当の事を知らなくていいんだから」

私は自分の赤ちゃんがダウン症と分かったとき色んな人の気持ちを心配しました
あの人が聞いたらどう思うか
仕事場で何て言えばいいのか
「皆が本当の事を知らなくていい」と言うのはその時の私の心をとても楽にしてくれたのです

最後に彼女は私に「貴女はダウン症の子供を育てられると思う?」と聞きました
それは情報のない私にはまったく想像のできない事でした
彼女はスペシャルニーズの子供達を相手の仕事をしていた事があって
「本当に大変よ。独立すると言っても共同生活になるし車も運転できないから送り迎えもしてもらわなくてはいけないし」とダウン症にネガティブな印象を持っている様に見えました
そしてその時点で私と主人には自分たちにダウン症の子供を育てられるのかと聞かれても
全く返事ができなかったのです

私達はハグをして別れました
「こんな気持ちを経験したのが私だけじゃないと分かって良かった
貴女と話す事で私の傷を癒やすプロセスにもなったありがとう」
彼女はそう言ってくれました

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中絶は人殺しと思う人がアメリカにはたくさんいます
でも私は中絶は女性の持つ権利だと思っています
だから彼女の選択も私には責める事はできません
悩んで苦しんで人生の選択をして
そしてこれからも死ぬまで悲しむであろう彼女を誰が責められるでしょうか?
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by up-upnutella | 2015-04-14 07:13 | 出会った家族 | Comments(0)

アメリカ在住。妊娠13週でお腹の子がダウン症と診断された私の苦悩と希望に満ちた道のり


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